香港法人の偉い活用の仕方。高度な金融システムと事業者に有利な税制度を持ち、レッセフェール(自由放任)政策を敷く香港に会社を設立するメリットについてわかりやすく解説しております。
貿易取引の規制が少ない自由港としてめざましい発展を遂げてきた香港には貿易に関する優秀な各種専門業者と支援サービス業者が存在しており、海外との貿易を行うには絶好の土地柄と言えるでしょう。
香港にはまた、実際に貨物は当地を経由させずに書類や決済のみを当地経由で行う、いわゆる三国間貿易の中継地として非常に大きなメリットがあります。これはいわゆるリインボイシング(Re-invoicing)による貿易取引で、オフショア貿易とも呼ばれているものです。
香港では香港外を源泉とする収益や収入(オフショア利益)については、香港では事業所得税が課せらないという規定があり、香港の会社が行う貿易取引でも香港外の国と国とを結ぶような三国間取引(つまり貨物が香港を経由しない)の場合において、リインボイシング操作(移転価格)のための書類を正しく作成し、オフショアルールに沿って適切に運営していれば、香港の会社(貿易会社)で入金を受けることが可能ですが、その収益には一切税金がかからないのです。
*オフショア貿易の例:
1.香港の貿易会社A社がインドネシアのB社とX商品の購入契約を結ぶ
2.A社はそれをドイツのC社とX商品の販売契約を結ぶ
3.X商品はB社からC社に直接輸送される
4.B社はA社に船積み書類を送り、A社を商品代金を支払う
5.A社はC社に船積み書類を送り、代金の支払いを受ける
その取引の際にA社が得た利益は香港を源泉としない利益となるため、非課税となるのである。